制作・研究の概要(コンセプト)
更新日:7月31日
木を素材に、骨のような形の立体作品「木骨」シリーズを制作しています。
骨をモチーフに設定した経緯としては、塑像などの彫刻作品を制作するときに組み上げていく心棒が、生物の芯となり肉体を支える骨の役割を持っているため、骨の形を取り入れ心棒そのものを作品化することによりシンプルで力強い彫刻の形の本質に迫れるのではないかという発想がきっかけです。
心棒の作品化という構想をさらに推し進めたきっかけとして、学生のころに日立市郷土博物館で開催されていた人形の展覧会を鑑賞したとき、展示の一つで内部の構造がむき出しになった状態の人形があり、そのむき出しの人形を前に着物(表層)が取り払われることで人形が彫刻としても成立するという内容をゼミの先生が話されていたことが印象に残っており、実際に塑像(図1)の制作中に、置物の工芸品みたいな仕上がりになってしまい、最初から作り直すため解体したときに現れた骨組みが先述した内側がむき出しになった人形の持つ彫刻的な側面とのつながりを体感できたことが強い動機付けになりました。

先行研究
実物の骨を芯に彫刻を制作するといった手法はヘンリー・ムーアをはじめとした多くの先行研究と作品に見られます。また、博物館で展示されている骨格標本や図鑑といった多くの資料が存在します。
制作方法
上記に挙げた参考資料をベースに骨の持つ独特な形や曲線を取り入れて制作を進めていくうちに大きく3つの方法に分岐していく可能性を見出しました。
① 木そのものが持つ枝や節の凹凸も残しながら形を作り上げていくやり方で作品の形を決めていく方法を試みます。

② 骨をモチーフに設定したことで、一つ一つのモノが独立した形を持つ作品となると同時に、作品の凹凸のポイントを組み合わせていくことで、骨の関節のようにモノ同士が骨格のようにつながり、新たな形に展開していくことができると予想されます。(図3)

③ 作品を心棒として活用することで肉付されたモノが量感のある全く異なる形に変化することができます。
このように本研究を進めていくことで様々な手法や可能性を、制作研究の課題として意義があると考えられます。
現在の進捗
上記、制作の方法のうち現在①、②をメインに研究を進めている段階です。
骨格標本的な組み合わせを取り入れたことで、空間を利用してインスタレーション的なアプローチ(図4)もできるようになり、標本をイメージした形態にすることで博物館的な側面を視野に入れた展示(図5)が可能になりました。














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